2009年3月1日日曜日

株主への手紙

バークシャー・ハサウェイの2008「株主への手紙」がリリースされました。
http://www.berkshirehathaway.com/letters/2008ltr.pdf

バフェット自身により書かれた、今後の経済情勢の見通しや、
直近の投資行動の振り返り等が同手紙に記載されていますので、
以下に簡単にまとめさせて頂きます。


○アメリカ政府による大規模で迅速な景気対策について
評価しているものの、 あまりにも大規模なものであるため、
今後のインフレの発生を警告しています。
現金やアメリカ国債を長期で保有することについても、
購買力の低下をもたらすと重ねて指摘しております。


○2009年の経済が引き続き厳しいものになるのを示唆する一方、
アメリカが二度の世界大戦、 数々の不況やインフレ、大恐慌に、
20%前後の失業率と数多の困難を克服してきたことを例に挙げ、
長期的にはアメリカ経済について良好な見通しを表明しています。


○原油価格の絶頂期に、コノコフィリップス株を大量取得したことを反省。
石油価格の大幅な上昇を現在も予想しているものの、取得時期を
誤ったことを認めている。アイルランドの銀行2行の株取得でも過ちを
犯したことを告白。


○以上のような誤りがあったものの、保有株を売却してでも取得したかった
リグレー、GS、GEの高利回りの確定利付き債取得には
満足しているとのこと。


以上でしょうか。


直近にバークシャー社のJ&J、P&G、コノコフィリップス社株式の
一部売却が表明されましたが、それは上記確定利付き債取得の
ためだと説明しており、アメリカ経済の長期見通しには楽観的なようです。
(過去44年間の3/4はS&P指数が上昇したように、今後44年間も
おそらくそうだろうと表明しています。)



バフェットの言うように、世界各国の財政出動の規模は、
尋常ではないため、今後は、株価の下振れリスクよりも、インフレによる、
実質ベースでの現金、預金や低利回り債権の価値毀損リスクを
警戒した方がよさそうです。

2009年2月22日日曜日

浪費村と倹約村

久しぶりに更新します。

ズボラで申し訳ないですが、不定期で更新したいと思いますので、
今後ともよろしくお願いします。

バフェットが経営するバークシャー・ハサウェイのホームページに
以下のバフェットが記述した論文のリンクがずっと掲載されています。
http://www.berkshirehathaway.com/letters/growing.pdf


英文ですが興味深い内容なので、簡単にご説明すると、
浪費村(アメリカ)と倹約村(中国、日本)の寓話を引き合いに出し、
アメリカの膨大な貿易赤字の危険性を警告しています。


アメリカ人が現在の収入以上に消費を行うのは、
地主が土地を売り払って浪費し、
将来、土地を借りないと耕作できない小作人となってしまうのと同じで、
将来の利益を先食いし、労苦を先送りしているだけだと。

また、そのような過剰消費の状態が長期間継続すると、
過剰消費国家は、貿易で得た資金等で
貿易黒字国の国民が手に入れた貿易赤字国資産を
収奪するのは、道徳上許されないため、
貿易赤字国の紙幣を増発することで(インフレを起こすことで、)
負担の軽減を図りがちだとも言及しています。

この記事をバフェットが書いたのは5年前ですが、景気後退後もなお、
アメリカは、中国や日本に対して、巨額の貿易赤字を抱えたままです。
そして中国、日本は巨額のドル建て債権を抱えており、
今後も減少する気配はありません。

日本が抱える巨額のドル建て米国債もそうですが、
個人で所有するドルや米国債も
ほんとに所有する価値があるものなのか
検討する必要はありそうです。


また、過度の節約も禁物ですが、
アメリカ人のような過剰消費状態にも
陥らないよう戒めなくてはいけません。

2008年10月18日土曜日

BUY AMERICAN!

以前から「他人が貪欲なときは慎重に、他人が慎重なときは貪欲に行動するだけだ」と発言しているバフェット。この株価低迷期においても、やはり株を買い進めているようです。

http://www.cnbc.com/id/27230391
(参考:CNBCホームページ)

また株価低迷時の昨今、現金を所有して安心している者がいるが、決して安心できる資産ではなく、むしろ長期的には価値が低下するものだとという警告も発しています。

私も株を買い増したいところですが、現在は手持ちの現金が少なくもどかしいところです。。

他国民よりも資産に占める現金の比率の高い日本人には、今回の株価下落は、金融資産を増やす大きなチャンスにも思えますがいかがでしょうか。個人的には、株価が再度上昇するまでに無理せず少しずつ株を買い増したいと考えています。

※ちなみに、今回ご紹介しているCNBCのホームページ。バフェットの行動が逐一報告されており、とても興味深いサイトです。英語表示であるのがややネックかもしれませんが、おススメさせて頂きます。

2008年9月28日日曜日

ゴールドマン・サックス

 「他人が強欲なときに臆病になり、他人が臆病なときに強欲になりさえすれば良い」と常々公言しているバフェットがついに動き出しました。

 ゴールドマン・サックスへの出資は既報のとおりなのですが、改めてその内容を以下で簡単に要約しておきます。

①50億ドルの同社への優先株出資
→同優先株の配当は10%で、購入価格の110%での買戻しが可能となる条件が付与されています。

②50億ドル分の普通株購入権
→今後5年内に、1株115ドルで同社普通株を購入する権利がバークシャーに付与されています。

 以上から、バフェットが今回の投資額に対するリターンを年率10%+α(税引前)と定めている様子が伺えますが、一方で普通株を購入する金額を現時点では定めていない点も留意する必要があると思います。

 以前、バフェットが投資銀行の一角を占めていたソロモンに優先株出資した際、「投資銀行の収益的将来性に関して、特に確信的な考えを持っているわけではない。」と述べていました。

 今回も、投資銀行(同社は銀行持ち株会社に移行しますが)の収益予測の困難さから、同社の収益力次第でリターンが大きく変動する普通株出資よりも、ビジネスが順調でありさえすれば、確定利付きが得られる優先株出資に重きを置いた投資手法を選択したのだと考えられます。

 さすが、バフェット。株価が暴落した時でも慎重さを失いませんね。

(参考資料)
http://biz.yahoo.com/ap/080924/goldman_sachs_ahead_of_the_bell.html?.v=1(AP通信)
「バフェットからの手紙」(パン・ローリング)

2008年9月3日水曜日

バフェット、買う!

すみません、仕事にかまけてしばらく更新休んでおりました。。
不定期になるかもしれませんが、なるべく更新できるよう励みたいと思います。

さて、バフェット率いるバークシャーハザウェイの最新の株式の異動状況が明らかになったので、以下で要点をご紹介します。

①米ビール大手アンハイザー・ブッシュ(BUD)の株式売却
→ビール世界最大手アンベブの買収提案の成功に疑義を感じて売却したようですが、 後日バフェット自身も売却が早すぎたと述懐しているようです。

②フランス製薬会社サノフィ・アベンティス(SASY)のADR追加取得

③米テキサス州の独立発電事業者NRGenergyの株式取得

④米石油大手コノコフィリップス(COP)の株式異動状況の非公開化
→バフェットが株式異動状況を非公開とする前の、出資比率は約1%にすぎず、 大部分売却した場合には特段秘匿する理由もないため、当銘柄を買い増しているのではないかと推測されます。(これは私個人の意見であるため、これを基に投資を行うのはお控えください。)

以上となります。
 
(参考:ロイター記事を基に作成)
http://www.reuters.com

2008年6月2日月曜日

欧州歴訪

世界一の資産家バフェットが、ドイツ、スペイン、イタリアなど欧州歴訪中です。

税引き前利益が少なくとも7500万ドルと、十分な規模を持ち、長期的に成功の展望のある欧州企業に対する投資機会を探るのが歴訪の目的のようです。

アメリカの多額の貿易赤字の垂れ流しにより、価値の継続的な低下が予想される「ドル」を稼ぐ企業よりも、堅実な「ユーロ」を稼ぐ企業を選好している様子がここから伺えます。

日本の個人投資家が「ユーロ」を稼ぐ企業に投資するのは難しいですが、Eトレード証券等で欧州企業のADRを購入するか、あるいは当HPでも紹介したSHOEIなど欧州に強い日本企業に投資するのが代替的な手段と言えるかもしれません。

(参考資料)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080522-00000026-dwj-biz

2008年5月18日日曜日

大量保有報告書

バークシャー・ハサウェイの保有株式の変動が
木曜日に明らかとなりました。

・金融サービスのアメリプライズ・フィナンシャルの全株譲渡

・アイアン・マウンテンの持株数減少

・クラフト・フーズ、バーリントン・ノーザン・サンタフェ
 の持株数増加

などが判明したようです。

他にも、ウェルズ・ファーゴをわずかに売却、中古車のカーマックス等を
わずかに買い増しているようです。 

上記のポートフォリオの変更から、食品、原油高等に対応した
ポートフォリオを着々と築いている印象を受けます。

(参考資料)ロイター
http://biz.yahoo.com/rb/080515/berkshire_holdings.html?.v=1