バークシャー・ハサウェイの2008「株主への手紙」がリリースされました。
http://www.berkshirehathaway.com/letters/2008ltr.pdf
バフェット自身により書かれた、今後の経済情勢の見通しや、
直近の投資行動の振り返り等が同手紙に記載されていますので、
以下に簡単にまとめさせて頂きます。
○アメリカ政府による大規模で迅速な景気対策について
評価しているものの、 あまりにも大規模なものであるため、
今後のインフレの発生を警告しています。
現金やアメリカ国債を長期で保有することについても、
購買力の低下をもたらすと重ねて指摘しております。
○2009年の経済が引き続き厳しいものになるのを示唆する一方、
アメリカが二度の世界大戦、 数々の不況やインフレ、大恐慌に、
20%前後の失業率と数多の困難を克服してきたことを例に挙げ、
長期的にはアメリカ経済について良好な見通しを表明しています。
○原油価格の絶頂期に、コノコフィリップス株を大量取得したことを反省。
石油価格の大幅な上昇を現在も予想しているものの、取得時期を
誤ったことを認めている。アイルランドの銀行2行の株取得でも過ちを
犯したことを告白。
○以上のような誤りがあったものの、保有株を売却してでも取得したかった
リグレー、GS、GEの高利回りの確定利付き債取得には
満足しているとのこと。
以上でしょうか。
直近にバークシャー社のJ&J、P&G、コノコフィリップス社株式の
一部売却が表明されましたが、それは上記確定利付き債取得の
ためだと説明しており、アメリカ経済の長期見通しには楽観的なようです。
(過去44年間の3/4はS&P指数が上昇したように、今後44年間も
おそらくそうだろうと表明しています。)
バフェットの言うように、世界各国の財政出動の規模は、
尋常ではないため、今後は、株価の下振れリスクよりも、インフレによる、
実質ベースでの現金、預金や低利回り債権の価値毀損リスクを
警戒した方がよさそうです。